本当に残すべきもの
2011年04月20日

喬木村阿島地区に伝わる伝統工芸品、阿島傘をご存知ですか?
しっとりと艶やかな和傘。
何十もの細かい手作業の工程を経て作られる、逸品です。
今日は、この制作過程を丁寧に記録した映像にナレーションを付けました。
最盛期の昭和20年代には年間30万本も生産していたという阿島傘。
今や、生業としていらっしゃるのはたった1軒だそうです。
作業の一つ一つが、繊細で、美しい。
録音をしながらも、画面に見入ってしまいます。
家業として、先代から受け継いできた技。何千日、何万日も繰り返されて磨かれてきた手仕事。
そう簡単に習得できるものではありません。
この映像もそうですが、最近「デジタルアーカイブ」という分類のお仕事をよくいただきます。
いわゆる記録映像ですが、格段に美しくなったハイビジョンで資料映像をとっておきたいという目的の他に、今残しておかないとなくなってしまうかもしれない、という理由もあります。
昨年の秋、たまたま村の文化祭の日に喬木村を訪ねました。
村の有志の皆さんや子供たちが製作した個性的な阿島傘が、たくさん展示されていました。
村では地元の財産を大切にしているんですよね。
しかし、「売り物にするとなると、また別の話」とのこと。
映像で、作業の様子を記録することはできますが、「職人の技」を伝えることはできません。
「デジタルアーカイブ」が失われた記録として後世で貴重品となるより、本物の技が伝承されていくことを切に願います。
miwa
Posted by mimmit(ミミット) at 18:44│Comments(0)
│メディアのお仕事