圧巻の話芸

mimmit(ミミット)

2012年03月23日 19:44

先週末、須坂市メセナホールで2daysの落語会がありました。



柳家花禄さんと私
仕事じゃありませんよー。     プライベート、趣味です。
本買って手ぬぐい買って、行列に並んでサインして握手していただきました
2時間の高座の直後、ほんのり上気した花録さんはつやつやとして、いい香りがしました

須坂での落語会は今年で5回目とのこと、ようやく行くことができました。


前日はなんと立川談春さん
今、日本で一番チケットが取れないといわれる落語家さんです。
そんな人をわずか300席の小ホールで(チケット争奪戦もなく)拝めるのは、地方都市だからこそ
と言っても、談春さんの日は早々完売してしまったようですが。


「落語なんて2日続けて見るもんじゃない」
と談春さんも花録さんもおっしゃってましたが、いやいや、
続けて見るからこそ、両者の個性や落語の味わいがよくわかりました。



談春さんの鋭さ、力強さ、すざまじいまでの気迫であっという間に彼の落語の世界に300人がさらわれて行きました。長屋の住人一同、何人もを次から次へと演じ分けていく様は圧巻。
そして、中入り後には東北の被災地での落語の話。現地での面白話も織り交ぜながら、
続いた「人情八百屋」には、涙・涙でした・・・
江戸のお話が、平成の世に通じ、悲しみを共有し、癒しを与え、希望を喚起することができるんだと感動しました。


翌日の花録さんは、移動が多い職業柄のタクシーや飛行機でのハプニングを枕に、軽快な雰囲気で始まり。
たまたまこの日、私のお隣には「評論親子」が座っており、細かい突っ込みが副音声で絶え間なく聞こえてきてました。
花録さんに好意的な着物の上品なお母様と、どちらかというと批判的なコメントの30代風の息子。
息子は、花録さんのチャラいトークや、「小さんの孫」自慢ネタに、うんざりするような突っ込みを入れていて、このまま落語にまで口をはさんできたらどうしようかと思っていたのですが、そこは花録さん!
「試し酒」で一升の酒をくいくいと飲みほしていく様が実に見事で。こくん、こくんと喉を通って行く酒が見える、口の中に酒が満たされていくのを自分の口で感じる・・・確かな技量をみせつけられて、隣の彼はその後、黙って食い入るように見てました。
(何故か私が「勝った!」と心の中でガッツポーズ)

たった一人、自分の語りだけで300人の客を虜にする話芸。
どちらも、素晴らしかったです。

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